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創業は、昭和34年4月。先代の父は地元・寺井町の特産である九谷焼アクセサリーに向けた小箱の会社を興した。
父がこだわったのは、四角い小箱。繊細なアクセサリーを入れるにふさわしい、小さく丈夫でありながら、美しい箱。
私は、父が小箱を丹念に一つ一つ仕上げてゆく姿を見て育った。…と語りたいところなのだが、私が興味を持ったのは、無口な父が操る機械の数々。より美しい仕上がりを求め、油を差し、微調整する様を眺めるのが好きだった。
時を経て、私は機械エンジニアの道を志した。
機械メーカーで企画の仕事を10年近くした後、家業に就くことになった私は、企画が活きる箱造りに興味を持った。
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丸型、楕円型、ハート型、星型…クリスマスツリー型やバイオリン型などの難しい変形ものに次々と挑戦。マシン造りと同様、素材の特性を活かした構造を考える日が繰り返された。
しかし、根底にあったのは、物造りに対する熱い想い…。父の地道な小箱造りへの開発努力は、私の中にもしっかりと息づいていた。
「挑戦し続ける者に不可能という言葉はない」
私は今、『箱職人』としての限界に挑み続けている。 |
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日本には3台しかない、アメリカ製の機械。それが、みき紙器の心臓部。箱造りのプロセスには幾度か、このような機械が登場する。
しかし、その工程の一つ一つに手作業のプロセスが不可欠となる。
その一つが木型。木型は機械にかけた時の使用感にこだわり、一つ一つを手作りしている。年月を経るごとに少しずつへごってくるものだが、一生使えるように大切に使う。 |
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組み立て工程での接着剤は、「にかわ」を使用。「にかわ」は、乾燥することで粘着する糊。その特性上、湿度の高いこの北陸の地では、時として「くっつき」が弱い時がある。
私は、スタッフが箱のひとつひとつを手で語りかけるように撫でながらくっつけてゆく、その心を大事にしたい。
技術を結実させようとするとき。そこに問われるのは、自分の仕事を自分に認めさせようとする努力。私はそう考える。 |
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特別な品が手渡される瞬間、その品への第一印象はそれを包むパッケージでほぼ決まってしまう。
その箱は、作る側から見れば、千個作ったうちのどれともわからないひとつに過ぎない。だが、「特別な品」が人の手に渡るのは、たった一度、たった一つ。
その「たった一つ」が手渡される瞬間に生まれる「印象」があることを、私は忘れたくない。
意味のある品の為の、意味のある箱を造る。それが、私の『箱職人』としての使命だろう。
私は「作家」ではなく「職人」だ。いくつ造ろうとも、そのすべてが同じクオリティでなければ、「職人」とは言えない。
箱の貼り合わせ、貼り紙の向き、ほんの小さなズレも見逃すことはできない…それら小さなこだわりは、千個同じモノを造る為にある。
この小さなこだわりを捨てた時、千種類の「意味の無い箱」にパッケージングされた「意味のある品」が世に出回ってしまうのだ。
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掛ける手間ひまや、仕上がりの品質…箱ひとつひとつの存在感にこだわらなければ、安く仕上げることは可能だろう。だが、それは『箱職人』である私には許されない。いや、自分は、許すことができない。
「貼箱製造一級技能師」
それが、箱を造る私に与えられた国家資格。だが、箱造りに必要なのは資格ではない。できあがった箱の品質…特別な品を包むにふさわしい品格を備えていること。それが全てだと、私は思う。 |
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有限会社 みき紙器 営業企画担当 三木 浩之 |
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